メタデータ抽出とワイルドカード生成
Aucsys!には、出品・落札以外にも便利なオプション機能があります。AI画像を生成している方なら「これ欲しかった!」と思うはずの機能です。
この記事では、画像情報抽出とワイルドカード作成の2つの機能を、実際の使い方から活用テクニックまで詳しく紹介します。
画像情報抽出
どんな機能?
PNG画像に埋め込まれたStable DiffusionやComfyUI、NovelAIなどの生成情報をワンクリックで抽出できる機能です。
AI画像を大量に生成していると、こんな経験はありませんか?
- 「この画像すごく良い出来だけど、どんなプロンプトで作ったっけ?」
- 「先月作ったあの雰囲気の画像、同じ設定でまた作りたいのにパラメータがわからない」
- 「Civitaiからダウンロードしたサンプル画像、どんな設定で作られているんだろう?」
ファイル名だけでは生成設定を思い出すのは不可能です。メモを取っていても、数百枚、数千枚になると管理しきれません。この機能を使えば、画像をドロップするだけで生成情報が一瞬で表示されます。
使い方
- Aucsys!のオプションページで画像をドラッグ&ドロップ
- 数秒で生成情報が解析・表示される
- 必要な情報をワンクリックでコピー
それだけです。外部ツールのインストールも不要、コマンド操作も不要。ブラウザ上で完結します。
抽出できる情報
PNG画像のメタデータから、以下の情報が抽出されます。
- プロンプト — 画像生成に使用したテキスト指示
- ネガティブプロンプト — 除外指定したテキスト
- モデル名 — 使用したチェックポイントモデル
- サンプラー — サンプリング手法(Euler a, DPM++ 2M Karrasなど)
- ステップ数 — 生成ステップ数
- CFGスケール — プロンプトへの忠実度設定
- シード値 — 再現用のシード番号
- その他のパラメータ — Hires fix、Clip skip、LoRAなどの追加設定
Stable Diffusion WebUI(AUTOMATIC1111, Forge)、ComfyUI、NovelAIなど、主要な生成ツールのメタデータ形式に対応しています。
生成情報を活用するテクニック
抽出した情報は、さまざまな場面で活用できます。
お気に入りプロンプトの管理
売れ行きが良い画像のプロンプトを抽出して、テキストファイルにまとめておく。「売れるプロンプト集」として蓄積していけば、安定した出品ネタのストックになります。
パラメータの最適化
同じプロンプトでもCFGスケールやサンプラーを変えると結果が変わります。うまくいった画像のパラメータを確認して、自分なりの「黄金設定」を見つけましょう。
他の作品からの学び
Civitaiなどのコミュニティサイトでダウンロードしたサンプル画像の設定を確認すれば、上手い人がどんな設定を使っているかがわかります。学習のスピードが格段に上がります。
生成情報がない画像の場合(WD Taggerによるタグ付け)
SNSからダウンロードした画像や、JPEGに変換された画像、生成情報が削除された画像など、メタデータが含まれていない場合もあります。
そんなときは、Aucsys!が自動的に画像認識によるタグ付け(WD Tagger)を実行します。WD Taggerは、画像の内容をAIが分析し、含まれている要素をカテゴリ別のタグとして出力する技術です。
たとえば人物イラストなら「1girl, long hair, blue eyes, school uniform, standing, outdoor」のように、キャラクターの特徴・服装・ポーズ・背景などが自動で判定されます。完全なプロンプトの再現はできませんが、「この画像にはどんな要素が含まれているか」をざっくり把握するのに非常に便利です。
タグの出力結果を参考にして、似たテイストの画像を生成するためのプロンプトを組み立てることもできます。
対応フォーマットと制限
- PNG — 生成情報の抽出(メタデータ解析)+画像認識タグ付け(WD Tagger)に対応
- JPEG / JPG — 画像認識タグ付け(WD Tagger)のみ対応。JPEGはメタデータを保持しないため、生成情報の抽出はできません
- ファイルサイズ上限:10MB
生成情報を保持したい場合は、画像をPNG形式で保存しておくことをおすすめします。Stable Diffusion WebUIのデフォルト設定はPNG出力なので、特に変更していなければ問題ありません。
ワイルドカード作成
どんな機能?
URLやテキストを入力すると、Stable Diffusion用のワイルドカード(ダイナミックプロンプト)を自動生成してくれる機能です。
ワイルドカードとは、画像生成時にランダムに選択される単語リストのことです。たとえば「{red | blue | green} dress」と書くと、生成のたびに赤・青・緑のいずれかのドレスが描かれます。バリエーション豊かな画像を自動で量産するのに欠かせない技術です。
ただ、ワイルドカードを手作業で作るのは大変です。「ポーズのバリエーション」「衣装のバリエーション」「背景のバリエーション」……それぞれ数十個の単語をリストアップするのは骨が折れます。
この機能を使えば、参考にしたいWebページのURLを入れるだけで、ビジュアル特徴を抽出してカテゴリ別に分類してくれます。
使い方の詳細
- URLまたはテキストを入力:参考にしたいWebページのURL、または特徴を列挙したテキストを入力します
- 「生成」をクリック:AIがページの内容を解析し、ビジュアルに関する特徴を抽出します
- カテゴリ別に分類されたワイルドカードが表示:形状、素材、ポーズなどのカテゴリに自動分類されます
- .txtファイルでダウンロード:Stable Diffusionのワイルドカードフォルダにそのまま配置できる形式で出力
出力例
入力した内容から、こんな形で出力されます。
| カテゴリ | ダイナミックプロンプト |
|---|---|
| 形状 | {round | square | triangular} |
| 素材 | {silk | cotton | leather} |
| ポーズ | {standing | sitting | lying down} |
ワイルドカードファイル(.txt)もダウンロードできるので、ダウンロードしたファイルをStable Diffusionの wildcards フォルダに配置すれば、すぐに使い始められます。
実践的な活用例
ファッション系画像のバリエーション作成
アパレルECサイトのURLを入力 → 衣装・素材・カラーのワイルドカードが自動生成。これを使えば「silk blouse」「cotton jacket」「leather skirt」のように、多彩なファッション画像を自動量産できます。
インテリア・背景のバリエーション
インテリアデザインサイトのURLを入力 → 家具・スタイル・雰囲気のワイルドカードが生成。「modern living room」「vintage bedroom」「minimalist office」など、背景のバリエーションを簡単に増やせます。
キャラクターデザインの多様化
キャラクターデザインの参考ページのURLを入力 → ヘアスタイル・服装・アクセサリーのワイルドカードが生成。同じキャラクターのバリエーション違いを量産するのに最適です。
ポイント
- 色や照明、雰囲気は除外され、形状・素材・ポーズなどの具体的なビジュアル特徴が抽出されます。色を含めてしまうと「赤い青いドレス」のような矛盾が起きるため、意図的に除外しています
- カテゴリ間の重複は自動排除。同じ単語が複数カテゴリに出現することはありません
- 出力はすべて英語。Stable Diffusionのプロンプトは英語が基本なので、そのまま使えます
- 1回の生成で複数カテゴリのワイルドカードがまとめて作れるので、一から単語を調べてリストアップする手間が大幅に削減されます
プロンプトのバリエーションを増やしたいとき、新しいジャンルに挑戦するとき、出品画像のマンネリを打破したいときに重宝します。
対応プラン
オプション機能はStandardプラン(月額¥5,980)以上で利用できます。
7日間の無料トライアル(Standard相当)でも使えるので、気になる方はまずトライアルで試してみてください。画像情報抽出もワイルドカード作成も、一度使うと手放せなくなる便利さです。
まとめ
- 画像情報抽出:PNG画像の生成情報をワンクリックで確認。プロンプト・モデル・パラメータをまるごと把握でき、お気に入り設定の再利用やパラメータ最適化に活用できる
- WD Tagger対応:生成情報がない画像でも、画像認識AIがタグを自動付与。JPEG画像にも対応
- ワイルドカード作成:URLやテキストからダイナミックプロンプトを自動生成。ファッション・インテリア・キャラクターなど、あらゆるジャンルで活用可能
- 出力はそのまま使える:ワイルドカードファイル(.txt)をダウンロードして、Stable Diffusionのフォルダに配置するだけ
どちらもAI画像生成をやっている方なら「あると助かる」機能です。特に出品画像のバリエーションを増やしたい方には、ワイルドカード作成が強力な武器になるはずです。